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2013.10.18

ソウルの住宅視察 18 Oct 2013

 19日ソウルでの社員研修旅行から全員無事帰って来ました。今回は新人を中心としたメンバーで留守を預かってもらいました。お客様にご不便をかけた場面もあったかもしれません。申し訳ございません、そしてありがとうございました。

 バックデートでソウルでの研修の内容を簡単にまとめておきます。まずは18日から。

 羽田空港から金浦空港には2時間15分ほどで到着します。沖縄に行くのと変わりありません。到着後、昼食をとって最初のプログラムはソウルの住宅視察です。視察の前提条件を今年4月にソウルに行ったときのブログから引用します。
http://ship.cocolog-nifty.com/ship/2013/04/18-apr-2013-001.html

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 韓国は人口約5000万人ですが、都市部に約約9割が集中し、さらにその人口のほぼ半分がソウル特別市とその周辺に居住しています。605平方kmのソウル市の人口は1058万人と同じく621平方kmの東京23区の900万人を上回っていますのでその過密さが想像できると思います。従って集合住宅(アパート・マンション)に住まう人の割合が高くなります。
 サムスンなどに代表されるグローバル企業やK-POPのような文化輸出が目立っている経済の見通しにも注目したいと思います。エコノミスト誌によると、2050年には購買力平価(PPP)ベースの1人当たりGDPは米国を100とすると、日本が58であるのに対し、韓国は105と大差がつけられると予想されていますし、近い将来でいえばIMF(国際通貨基金)は、1人当たりのGDP(PPPベース)は、2017年には韓国が日本に追いつくと予想しています。
 先日の大統領選挙でも格差が問題になっていたように経済成長に伴う暗部は少なくないのですが、国全体が豊かになり、富裕層は極めてリッチになっていくという中で住宅事情も変化が起こりつつあります。
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 このような変化の中で富裕層は郊外に利便性の高い環境に立地する一戸建て住宅購入する流れがひとつできつつあるそうです。この70坪ほどの建物は坪65万円くらいの建築費用ですから日本とほとんど変わりません。土地は坪100万円もするそうです。建て主は誰もが知る大企業の課長クラスだそうです。住宅の比較をするときにわかりやすいのが年収倍率ですが、日本と平均年収を比較しようとしてもあまり意味がないようです。年収分布の形が違いすぎています。統計の中にはすでに韓国が日本を上回っているというものもあります。
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 どうしても相対的な比較をしたい場合はGNIが適当かと思われます。上記は2011年のWHOの国民総所得(GNI)*1ランキングです。http://memorva.jp/ranking/unfpa/who_2013_gni_gross_national_income.php
 
 *1 国民総所得(Gross National Income)は、ある一定期間にある国民によって新しく生産された財(商品)やサービスの付加価値の総計。カタールは86,440ドル(約890万円)で最も高い。日本は35,330ドル(約363万円)で19位。アメリカは6位48,820ドル(約502万円)、韓国は24位30,370ドル(約312万円)、中国は79位8,390ドル(約86万円)。世界の中央値は7,870ドル(約81万円)、平均値は11,536ドル(約118万円)。円への換算は1ドル103円で行った。 

 住宅事情に話しを戻しますが、『「韓国の不動産不況悪化と政府の対応」 2011年 環太平洋戦略研究センター論文』によると

 韓国ではアパート(5階以上の共同住宅で日本のマンションにほぼ相当)に住む世帯が全世帯の約4割を占める(新築住宅では7~8割がアパート)。アパートに住む場合、
 ①分譲アパートを購入する、
 ②チョンセ(購入価格の3~7割程度の保証金を払う、家賃はなく保証金は後で返還)を払って借りる、
 ③ウォルセ(保証金+家賃を払う)で借りる、
 ④保証金なしで家賃を払うという4パターンがある。
 チョンセは韓国独特の制度で、家主はこれを運用して収益を得る
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 2000年以降右肩上がりだったアパート価格は日本の90年代のようにバブルがはじけた状態になってまだ出口が見えないようです。そこに日本と同様少子化による需要減の流れが影を落とします。そんな中で年収の高い人向けの一戸建て住宅というのは新しい市場なのでしょう。4月に続いてご案内いただいた住宅建築事業者の話しでは、一戸建て中でも木造住宅の需要は現在全体で1万棟程度ですが、この先10年くらいで5倍10倍に拡大していきそうな感触を持っているとおっしゃっていました。

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 写真は建築中の建物です。基礎を打ったばかりですが、この上に断熱をしてオンドル(床暖房)を施工します。日本では「家の作りやうは、夏をむねとすべし。冬は、いかなる所にも住まる。暑き比わろき住居は、堪へ難き事なり。」(徒然草・吉田兼好)の伝統があったかと思われますが、韓国では逆で家の中は暖かくないといけないそうで学生向けのアパートでさえもオンドルがあります。基本的には地震のない韓国は耐震に対するコストは軽減できますが、オンドルは付加されます。

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 日本で住宅会社向けのコンサルティングを行っている弊社にとって、韓国の住宅事情は直接は関係のないことですがやはり幅広く知っておくことは良いことだと思います。そういえば床暖房を世界に広めたのはフランク・ロイド・ライトだと言われています。1914年大倉男爵邸の朝鮮の間でオンドルを体験して感動して、当時作っていた帝国ホテル(ライト館)の一部の客室にオンドルを施しました。帝国ホテルの竣工が1923年。日本の一般住宅で最初に床暖房を取り入れたのは1933年柳町政之助氏邸。ライト氏はが一般住宅で取り入れたのは1937年、ジェイコブス邸においてでした。ライトは日本の家が本当に寒かったようで「感動」のありようを想像すると興味深いです。私達も海外で「感動」する感性がまずは大事です。

2013 10 18 [SHIPマン&SHIPウーマン] | 固定リンク


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