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2013.06.27

北欧の素敵なデザイン 27 Jun 2013

 Just let the men stay naked as long as we girls can shop ...

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 今回はスウェーデン・デンマークでしたが、ショーウィンドがとても面白かったです。

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 スウェーデンに着いた初日、都心ではなかったこともありますが、ホテルの周辺に夕食のレストランを探しに出たらなかなか見つかりませんでした。理由はスウェーデン人は夕食は家で食べるから外食産業はあまり育っていないのだそうです。

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 家具やインテリアが進化したのは、家で生活を楽しむこと比率が高いからだということも聞きました。(上の写真はロイヤルコペンハーゲンの本店です)

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 いわゆる北欧デザインというものは、彼の地の厳しく長い冬の寒さからくる自然への畏怖と家の中での生活が多くなるライフスタイルとクラフトマンシップが組み合わさったものなんだろうなと思いました。

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 欲しくなるものがたくさんあります。でも値段が高い、、、です。

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 そもそも消費という概念のところから違うのだと思います。

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2013.06.26

資源だからリサイクルという考え方 26 Jun 2013

 「日本では資源ゴミっていうんだけど、資源なんだかゴミなんだかわからないでしょ」とスウェーデン人のペオさんに言われましたが、その通りですね。資源だかゴミだかわからないので、資源ゴミのリサイクル率は20%程度なんだそうです。

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 スェーデンの住宅地でよくみかけるこの分別システムは、リサイクルステーションといいます。家庭ゴミ(ついゴミと書いてしまいますが)を細かく分別してここに捨てます。

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 環境ステーションには収まらない大きなものなどを含めて、車で運び込まれます。自分で運びこむと無料です。これをリサイクルセンターと呼びます。

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 家電製品は部品からレアメタルなどを取り出します。水銀を含んだ電池などは今のところ、リサイクルの方法がわからないそうですがこうしたものは一定の場所に埋めて、リサイクル方法が開発されれば掘り出してこれを再利用するという考え方だそうです。

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 建築廃材やここに写っているような植物などを処理するのは環境センターと呼ばれます。これもそれぞれに様々な用途にリサイクルされます。
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 上はエコビレッジのリサイクルステーションです。言葉は重要ですが、リサイクルステーション、リサイクルセンター、環境センターと、これらには「ゴミ=Waste」という言葉がありません。あくまでも目的がリサイクルであり環境保全です。

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 この写真は公共交通のバスですが、”Baiogasbuss”と書いています。生ゴミなどから生成するメタンガスで走っているのが「見える化」されています。

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 家庭では幼児からゴミ(?)分別を教育しています。2歳の◯◯くんは上手に生ゴミを生ゴミの袋に入れることができました。

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 お客様に分別のしやすさを提案することが持続可能性の価値観を共有する姿勢としても有効だと思います。またリフォーム会社でも現場の廃材を手をかけて細かく分別することでも営業的にも経済的にも差別化になると思います。

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 上の写真はコペンハーゲンのチボリ公園での食事風景ですが、もう空になっていますがテーブルの上にビールが入っていたプラスティックのマグがあります。

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 これをリサイクルの自販機(?)に入れると5クローネ(約100円)戻ってきます。このようなインセンティブがリサイクルを進めます。

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 スーパーマーケットにもペットボトルなどを入れると金券としてデポジットが戻る仕組みがあります。

  デンマークの例も混ざりましたが、ビジョンがあってインセンティブもあって見える化があって計測もあって、スェーデンはリサイクル率98%ということになるようです。

 資源か? ゴミか?

 ここにも取り組みのヒントがありそうです。

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2013.06.25

スウェーデン・ゴットランドでのパッシブ建築見学 25 Jun 2013

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 ストックホルムからゴットランド島に渡りました。この島のVysbyの城壁内の旧市街地は世界遺産に指定されています。また魔女の宅急便の町の風景のモチーフになったと言われています。

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 この古い歴史的な町の地下にも暖房や給湯に使われる温水パイプが埋め込まれています。「持続可能社会のビジョン・政策」からブレークダウンされていることと理解すれば不思議ではありませんが、現地で聞いたときには驚きました。

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 これは賃貸のテラスハウスですが新築ですのでローコストでパッシブ性能を実現する工夫が様々にされていました。

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  これは節水シャワーノズルです。空気を混ぜることにより体感的な満足度をあげて水は3割から5割減らすことができます。

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 排気吸気時の熱をコントロールする熱交換器が設置されています。

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 排気の取り入れ口です。

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 新鮮な空気が必要な温度で出てくるところです。内装はもちろん人体および環境に負荷のかかる化学物質由来のものは極力使っていません。

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 駐車場には電気自動車用のバッテリー充電設備。今、電気自動車に乗っている人にたいしてではなく「予防原則」でこのような仕様になっているそうです。

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 円筒形の集合パッシブハウスです。最新のエネルギー循環の仕組みにより、従来の3分の1のエネルギー消費量に抑えられたそうです。

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 バルコニーは3重ガラスに囲われて、冬は熱を逃がさない採光の場になっているし、夏は開けることもできますので風を採り入れたもうひとつのリビングになっています。エネルギー消費を減らすためなら何でもやるという感じですね。

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 パッシブハウスからの帰り道、「あれは何に使われているとおもいますか?」と訊かれた建物は、賃貸アパートでした。凄いですね。歴史的建造物の中をリノベーションしているのだそうです。

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 この家は特別に見学させていただいた築500年のリノベーション住宅でした。買い取って家族のライフスタイルに合うように改修したそうです。

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 続いて宿泊しているホテルのオーナーのご自宅です。世界遺産エリアのホテルを買い取ってエコホテルに改修してエコラベル認定を受けたご夫婦が住んでいます。スウェーデンでは成人すると子供が同居するということはほとんどないそうです。

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 家庭でも職場でもお茶の時間を「フィーカ」と呼ぶのですが、この日は子どもや孫も呼ばれての夕食後のフィーカにご一緒させていただきました。

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 翌日は図書館を見学させていただきました。

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 館内の気温も夏は海水で冷やされ、冬は温水や体温で暖められるのですが、その空気を動かす動力として、太陽光パネルが使われています。歴史的な景観と太陽光パネルの対比がなかなかおもしろいです。

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2013.06.24

ストックホルムでの住宅視察 24 Jun 2013

 スウェーデンでは戸建住宅、エコビレッジ、集合住宅、テラスハウス、500年前の建物をリノベーションした住宅、200年前くらいのリノベーション住宅をすべて住んでいる人の解説をいただきながら見学させていただきました。住宅のことを一番に書くべきなのですが、なかなか書くのが難しいです。それは住宅が持続可能性という全体の一部だと捉えられているところが、日本の住宅に関する情報とは違うからだと感じています。

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 スウェーデンは100年前はヨーロッパで最貧国だったそうです。当時の人口400万人のうち、100万人がアメリカなどに移民するような状態でした。寒くて長い冬で暖房が必須なのに化石燃料が採れないために、1979年までは一人あたりの原油輸入量は世界で最多でした。これも国富が外に出て行ってしまう原因のひとつでした。

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 1981年採択された政策では、石油使用量を半減することを決定し、将来に渡ってエネルギー政策は環境への影響を最小にするという決定も行なっています。これにより地域ごとに熱や電気の供給を一体のものとして行い、そのエネルギーを従来からの水力発電に加え、木質チップやペレット、またはゴミのリサイクル燃料なども利用しています。地域には熱交換システムが動いていて地中をパイプが通りそこにお湯が流れます。

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 そんな中に住宅があります。当然、断熱性能、熱貫流システムについても法律でも厳しく設定されています。これにより家庭で消費される熱エネルギーは劇的に改善に向かっていったそうです。

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 先にも紹介した戸建住宅です。庇は温熱器になっています。壁の厚さは40センチくらいで窓は当然のように3重ガラスです。

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 窓の光を採り入れる仕組みが美しいです。日本の外壁の厚みでは難しいですが。

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 屋根は緑化しています。目的は水を周りに飛ばさないためだそうです。

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 この家だけでも紹介したことはもっとありますが、次はエコビレッジ、コーポラティブハウスです。1990年にプランニングが始まり1995年から住み始めています。現在44世帯が住んでいます。

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 ここも地中に木質ペレットで暖められた熱供給システムがまわっています。 

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 さらにし尿は源で分別されて、それぞれが配管を通ってリサイクルされます。今では国内最大手の設備メーカーが作っているそうですがこれができた当初は外国(忘れました、すいません)の設備だったそうです。

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 その中の一件のお宅にも入らせてもらいましたが、コーポラティブハウスですので、自分の希望も2時間ほどヒヤリングされたうえで建築されたそうです。外装材も自然素材です。内装材も当然有害な化学物質を使うことは禁止されています。住宅そのものというよりも廃棄されたときに環境に負荷をかけずに循環できることが重要だし、健康を損なわないことは快適な生活はもとより社会保障制度などを持続的にするためにも必要なことです。

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  ほとんど退出する人はいないそうですが、今まで退出により売った人は価格が3倍に値上がりしているそうです。このような住宅地は資産になる住宅の大前提だと思います。買うときの価格だけでなく、10年20年住むときの全体のコスト、それに加えて資産性の上乗せ、住宅本来の要因がここにはあると思います。

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2013.06.23

持続可能性が選択の根拠になる 23 Jun 2013

 スウェーデンのアーランダ空港から最初に乗る電車の駅でペオ・エクベリさんの最初の講義です。「このラベルを覚えてください。スワンラベルといいます」ということでした。

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  ノルディック・スワンラベル(Nordic Ecolabelling-the Swan)は世界初の多国間環境ラベル制度で、 1989 年ノルウェー、スウェーデンから始まり、 1990 年にフィンランド、 1991 年にアイスランド、 1997 年にデンマークと、現在北欧 5 カ国すべてが参加しています。製品やサービスなど幅広く対象にしていますが、提供される材料の採取、天然資源の産出から最終処分に至るプロセスにおける環境負荷を考慮して認定が進められます。

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 今回はエコツアーだったので、ストックホルムで宿泊したSCANDICHOTELも、ゴットランド島で宿泊したセント クレメントホテルもこの認証を受けたホテルでした。

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 ごみ箱がすでに分別システムになっていますし、

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  カードキーが木製(地上のもの)でした。

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 スワンに対して、ハヤブサマークもあります。

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  環境保護団体である自然保護協会(Naturskyddsföreningen)が運営する「環境によい選択マーク」(Bra miljöval)スウェーデン発のも国際的なエコラベルです。アーランダ空港から町に向かう電車がグリーン電力で動いていることを表しています。

 また食品関連にはクラヴマークがあります。国際有機農業運動連盟( IFOAM )の傘下にあり、生産から最終加工に至るまで一切、化学成分が使用されていない製品であることなどスウェーデンで有機栽培製品の認定基準の設定、基準への適合性をクリアしている証です。

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 セント クレメントホテルはこのマークを取得しています。

 スーパーマーケットにも同じミルクでもこのラベルがあるもの、ないものがあります。
 
 制度があっても認知度がないと意味がありません。それぞれのエコラベルの認知度は、スワンマークが977 %、クラヴが98 %だそうです。スウェーデン人の環境に対する意識とともにこのエコラベル認定制度も育っていったのだと思います。

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 スウェーデン政府は今世紀の初めに、国内の農地の 20 %を有機栽培に割り当てることを目標としたそうです。スワンマークやクラヴマークなどのエコラベルは、このような政策を展開していくうえで重要な役割を果たしているのだと思います。またこのラベルは投資家の評価の基準にもなってきているそうです。国民のエコ意識が高くなればそれに比例してエコラベル認定された商品・サービスは売れることが予想されるし、何よりも経営姿勢そのものが問われることが必至だからです。

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2013.06.22

エコと経済は両立する 22 Jun 2013 

 スウェーデンは持続可能社会ですが、そのようにいうと経済成長は2の次のような印象があります。実際に1980年から2013年までの名目GDPで日本とスウェーデンを比較してみます。

日本

名目GDPの推移 - 世界経済のネタ帳

スウェーデン
 名目GDPの推移 - 世界経済のネタ帳
 

 考察に入りますが
 20年前の1993年、10年前の2003年、そして2013年の数字を拾ってみると

 日本 498兆円 499兆円 480兆円
 SWE 1,573SEK 2,555SEK 3,673SEK

 今は1SEK(クローナ)が15円くらいですが、為替が変動します。
 米ドル換算で名目GDPを比較してみると

 日本 4,4150億 USD 4,3030億 USD 5,1500億 USD
 SWE    2021億USD    3160億USD   5760億 USD

人口比較では
 日本 127.61(100万人)
 SWE   9.54 (100万人)

 一人当たりの名目GDP(USドル,2012年)で比較すると
 日本 46,735.72 (USドル)  世界13位
  SWE   55,157.86(USドル)  世界8位

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 持続可能社会の運営ルールは経済成長を促していて、一人あたり名目GDPではスウェーデンはすでに日本を上回っています。

 う~ん、これが事実です。

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2013.06.21

ビジョン:2025年に持続可能な社会を実現する 21 Jun 2013 

 スウェーデン・デンマークで「何を見てきたか」についてまとめてみたいと思います。

 ひとつめは「ビジョン」の偉大さです。

 スウェーデンは2025年に持続可能な社会を実現するというビジョンに基いて、方針が決まっていきます。現在ではそれが下記のような「環境的な質に関する16分野の目標」として国民に共有されています。

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 下記の項目が上のアイコンに対応しています。

 ①気候への影響の低減
 ②清浄な大気
 ③自然現象以外の原因による酸性化の阻止
 ④毒性のない環境
 ⑤オゾン層の保護
 ⑥安全な放射線環境
 ⑦富栄養化の阻止
 ⑧湖、河川の生態系の繁栄
 ⑨良質な地下水
 ⑩バランスのとれた海洋環境、海岸地域および群島の生態系の繁栄
 ⑪湿地帯の生態系の繁栄
 ⑫持続可能な森林
 ⑬多様な農業地域の景色
 ⑭雄大な山岳地帯の景色
 ⑮良質につくられた環境
 ⑯動植物の営みの豊かな多様性
 参照:www.miljomal.se

 それぞれに数値目標が定められ毎年数値での政策の進捗が広報されます。環境教育は4才から始まり、環境意識の向上から現在でで資源のリサイクル率は98%(日本は約20%)となるように社会システムができています。ストックホルムのような都市も今回訪問した世界遺産に認定された中世都市ゴットランド島のビスビィも温水暖房システムがインフラとして地中に張り巡らされ、そこに自然エネルギーを取り入れ、化石燃料の消費をおさえる仕組みがあります。

 何を買っても食べても東京よりも高価(消費税25%・食料品は半分、ビッグマック指数はSWE 6.94USD、日本4.09USD)なのに、訪問したご家庭では光熱費が日本円で月3000円くらいと驚くほど抑えられていますが、すべては最上位概念のビジョンを共有し、そこから落とし込まれた16分野の目標があり、更にその時限のある数値目標から具体的な政策が決定されているわけです。

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 ストックホルムのこのビルは、ギネスブックに認定された世界最大の写真で有名(らしい)ですが、夏はバルト海から冷たい水を取り入れて空気を冷やしています。

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 長い冬の暖房の必要な期間は近くのストックホルム中央駅(2つ下の写真)から人間の発する熱を取り込んで空気を温めているそうです。このビルを案内してくれたのはこのビルに入居している新聞社の女性記者の方でしたが、この超省エネルギーシステムに対したいへん誇らしげな姿勢が印象的でした。

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 私達民間企業のメンバーは国家ビジョンを描く役割ではありません。従って国や町や国民のインフラや意識を延々と話題にするレイヤーにはいません。しかし持続可能社会のビジョンとそこにお客様の喜びを結びつけるための企業活動およびビジネスモデル描き、事業活動をそこに沿わせることはチャンスつまりはお客様が喜ぶことなのではないかと思うのです。

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 まずは、すべての企業活動の最上位概念に「持続可能社会の実現とお客様の喜び」を置き、すべてをそこから落とし込んでいく準備を始めることが必要だと思いました。
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持続可能建築建築の教科書のひとつ The Whole Building Handbook: How to Design Healthy, Efficient and Sustainable Buildings の著者であるVaris Bokalder先生(下の写真)の講義も受けました。持続可能社会実現という上位概念から建築や住宅が語られますので、熱交換などを含んだ省エネルギーシステムや健康のための内装材、廃棄とリサイクルを想定した建築材料選びの考え方、そしてその事例と経済的なメリットが自然に伝わってきます。

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 その後、最近建てられたパッシブハウスに訪問してきました。ハンガリー出身でパリで仕事をしていた夫婦が移り住んで建てた住宅でした。

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 ソーラー温熱器や熱交換システムなどの設備と採光や断熱、内装材・外装材といった建築技術、自然環境との共生という価値観の反映の調和がとれているのがわかります。

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 こうした実物を見ると The Whole Building Handbook: How to Design Healthy, Efficient and Sustainable Buildings のタイトルに表現されている真意が伝わってきます。

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 持続可能建築というのは自然環境だけではなく、年金・医療などの人間のシステムの持続可能性も考慮に入れたものであり、それは最上位概念とそこからブレークダウンされた「環境的な質に関する16分野の目標」から導き出されるのです。

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2013.06.20

スウェーデン・デンマーク視察 20 Jun 2013 

 6月13日出発、20日帰国のスケジュールでスウェーデン・デンマークに視察に行って来ました。

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 訪問した動機について書きます。

 現在私の活動の多くは2014年4月消費税増税以降の住宅産業なかでも住宅リフォーム業の新たな姿の模索です。私達はこれまで「人々が幸せになる住まいと暮らしの文化を創造する」のミッションに基づき、おおまかには下記の生活者メリットの実現を住宅リフォーム企業の営業活動に組み込むことを推進してきました。

(2003年から)
 施工後を3次元で可視化することで生活者の希望や意志が反映される営業プロセスへの転換
(2005年から)
 内装材を健康と環境配慮建材を用いることで持続可能な住宅環境を提供する営業活動への転換
(2007年から)
 見込み客集客に最適化されたインターネットシステムを活用することでマーケティング費用削減化の転換
(2009年から)
 企業理念策定や新卒採用といった企業経営の根幹となるマネジメント導入による理念型経営への転換

 始めたころは少し早すぎたと思われた企画も、実際に進めていくうちにすっかりと普及していって目立たなくなるのですが、これこそ「文化」になった証ですので喜ぶべきことです。

 昨年12月に3年間の民主党政権を経て自民党政権に替り、金融緩和・財政出動が打ち出され、円相場や株式市場に急激な変化をもたらしました。経済成長停滞の現状打破をはかるために、頭の良い人達が寄ってたかって打ち出した策ですから、政権が目指す方向を前提にすればこれがベストだったのだと思います。しかしこの結果がどうなるかはわかりません。経済見通しにおいて確実なのは、2014年4月消費税増税による住宅などの高額消費の急速な需要減です。もしここに金融政策・財政出動がマイナスの影響がもしかぶさってきたら、住宅業界はなかなか困難な事態になることと思われます。

 ではどうしたら良いか?

 結局は「お客様の喜びのために全力を尽くす」しかありません。お客様が何に喜ぶようになるかというサキヨミがそれぞれの企業戦略になるわけです。したがって「人々が幸せになる住まいと暮らしの文化を創造する」に基いて、「これから生活者は何よって幸せを求めるのだろうか?」のプランニングが私の仕事になるわけですが、今回北欧を訪れたのもそんな理由からでした。

 OECD加盟国34カ国およびロシアとブラジル36カ国の2013年の幸福度ランキングが先月末に発表されていますが1位はオーストリアとスウェーデン、日本は21位でした。
 http://memorva.jp/ranking/world/oecd_bli_2013.php

 この調査(Better Life Index(BLI))は、経済協力開発機構(OECD)により各国の暮らしの豊かさ・幸福度を以下の11項目を点数化してランキングしたものです。

 Housing(住居)・・・住居費、1人あたりの部屋など
 Income(家計所得)・・・所得、資産など
 Jobs(仕事)・・・就職率、失業率、個人所得など
 Community(コミュニティ)・・・支援ネットワークの質
 Education(教育)・・・教育の達成、学生の能力など
 Environment(環境)・・・大気汚染、水質
 Civic engagement(市民参加)・・・投票率など
 Health(健康)・・・平均寿命など
 Life Satisfaction(生活満足度)・・・生活の満足度
 Safe(安全)・・・暴行率、殺人率
 Work-Life Balance(ワークライフバランス)・・・長時間労働、余暇・ケアに充てた時間

 「何故そうなるのか?」
 この疑問を持ちながらの訪問でした。 

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2013.06.13

スウェーデン/デンマークに行って来ます 13 Jun 2013

 弊社ではCO2削減が持続可能社会へのわかりやすいシンボルになりつつあった2007年から、住宅リフォーム業における環境貢献活動を呼びかけ「地球とつながる住まいの会」という勉強会・実践会を主催してきました。2008年9月のリーマン・ショック後における経済の冷え込みとその後の民主党政権下の景気停滞の影響をうけ、全体としては当初の盛り上がりを欠いてしまっています。しかしこのときから提案している循環型商品ペレットストーブや省エネルギー商品である遮熱塗料などは採用した住宅リフォーム会社のポジショニングをわかりやすくし、創客にはずいぶんとプラスとなって定着しています。

 私の今のテーマは来年から最低2年は続くであろう住宅建築・リフォームの落ち込みをどのように乗り切るかということなのですが、あらためて持続可能社会への貢献というコンセプトをまとめ直そうと思っております。

 その一環として、13日から20日までスウェーデン/デンマークを視察してきます。スウェーデンは国土面積は日本と同じくらいですが人口は950万人とコンパクトです。日本には、高い税率と高社会福祉、インテリアのIKEA、ファッションのH&M、自動車のVolvo、音楽ではABBAなどが一般的にはよく知られているところでしょうか。

 スウェーデンは国の政策として「1世代以内に持続可能な社会」(環境・健康・経済の問題を解決する社会)を標榜している国です。1990年の京都議定書の基準年から全国のCO2排出量はマイナス9%(首都ストックホルムだけだと25%)を達成し、同時にGDPは44%成長しています。そこで行わていることにすごく興味を持ちました。

 昨年10月から弊社で4回か行ったパッシブデザインの研修会は毎回満席になりました。住宅リフォーム業界の感性鋭い経営者の方々は、現在の前倒し需要の後には経済的メリット、精神的な満足度向上も含めた省エネルギー住宅化リフォームが次の住宅リフォーム創客の出口になりそうだと感づいています。

 その潮流を推し進めたいと思っております。

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2013 06 13 [小松の足跡~未来を見据えて~] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2013.06.12

創客に集中する 12 Jun 2013

 企業活動の目的として有効な定義はただひとつである。 それは顧客を創造することである。 
 ピーター・ドラッカー「現代の経営」より

 従って企業内においては
 1)見込み客を創造する仕事
 2)顧客を創造する仕事
 3)贔屓客を創造する仕事
 を分業あるいは協業しながら取り組むことになります。
 私はこの一連の活動を「創客」と呼んでいます。

 H.I.Sの澤田社長が創業以来、20年近くも赤字が続いていたハウステンボスを1年で黒字化した経緯を書いた「運をつかむ技術: 18年間赤字のハウステンボスを1年で黒字化した秘密」を読むと、前任者が何人もできなかった黒字化つまりは黒字に十分な創客がなぜできたかを学ぶことができます。

 澤田社長は最初に3ヶ月だけの暫定措置として17時以降の入場料を無料にしました。おそらくそれまでの現場の従業員にとって高い入場料は「創客」の妨げになっていて、一度そのハードルを下げて体験してもらえば、創客の上昇が見込めると思っていた気持ちを汲んだのでしょう。結果はまったく入場者は増えなかったそうです。
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 航空券は、値段を下げれば下げるほど喜ばれる。しかし、テーマパークというのは、値段がいくらであろうと結局は中身であって、行っても楽しくないのなら、時間の無駄だからタダでも行かない。まずい食べ物には1円も払いたくない。口にすら入れたくない。しかし経験したことのないおいしさであれば、ある程度払っても十分納得がいく。
===

 購買は4つの要因が組み合わさって決まります。

 何を*いくらで*誰から*何の目的で→買う

 テーマパークは「何を」が「経験したことのない楽しさ」なのでしょうから中身を伴わないと「時間の無駄」になるということなのでしょう。

 その後、「光の王国」を作りショーやアトラクションを充実させ、閉鎖していたショップを再オープンさせると夜間入場料を無料から1000円に引き上げても、その後は2800円に引き上げても創客は上向いたそうです。この間、コストカットにも取り組み黒字化のハードルを同時に下げるとともに、コストが下げられない分野においては「1.2倍速く動く」ことで、おそらく全体の回転率を上げることを行いました。その他の取り組みにおいて興味のある人が書籍にあたってください。

 創客に実際に取り組むのは従業員です。20年近く赤字が続いていれば負け癖がついています。その気持の払拭のために澤田社長は3つに絞り込んだことを直接伝えたそうです。

 ① お客様を迎える仕事なのだから、たとえ本当は大変でも嘘でも、明るく元気に振る舞い挨拶をすること
 ② 同じ理由で、毎朝掃除をすること
 ③ 売上2割増し、経費2割減を達成すれば黒字化する、そしたらボーナスを出すということ

 私流に解釈すれば「創客に集中しよう、喜んでもらおう、そうすると成果が上がる、成果はシェアされる、この順番しかないんだ」というメッセージなのだと思います。

 企業活動は創客活動、企業も従業員も創客を通じて成長をしていきます。赤字に陥いるのは創客に集中していないからだというモノサシを持てば、軌道修正もしやすくなります。来年の新築着工戸数が前回の消費税増税時と同様15%程度マイナスになるであろうということが報道されはじめました。一時的には住宅リフォームも同様なことになるでしょう。創客に全社員の意識を集中してバランスをとりながら乗り切っていくしかないと思います。
 

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